懐石料理と会席料理

懐石料理と会席料理

懐石料理と会席料理

懐石料理と会席料理

kaiseki ryori

(Photo: PIXTA)

伝統的な日本料理の形式は、大きく分けて、「本膳料理 (Honzen Ryori)」、「懐石料理 (Kaiseki Ryori)」、「会席料理 (Kaiseki Ryori)」の3種類がある。

本膳料理は、14世紀に確立した武士の儀礼のひとつで、今の日本料理の原点といわれる。服装や器の位置、食べる順番まで決められおり、とても格式が高いものだった。現在の日本では、ほとんど見ることはできない。

2種類のKaiseki料理は、発音は同じだが漢字が違う。

「懐に石」という意味の「懐石料理」は、茶道において、客人をもてなすために食事が出されたのがはじまり。空腹だとお茶をおいしくいただけないため、軽くお腹を満たすという目的もある。現在はお茶の席以外でも、料亭でいただく高級料理としても親しまれており、混同しないために茶事の懐石料理を「茶懐石(Cha-kaiseki)」と呼ぶことがある。

もうひとつは「席で会う」という意味の「会席料理」。本膳料理の流れをくみながら、お酒を楽しむための料理として、旅館や宴会の場などでふるまわれる。堅苦しくなくいただくことができ、料理の内容や品数など、自由度が高い。

kaiseki ryori

富士レストランの会席料理 (Photo: Oike Naoto)

2種類のKaiseki料理の大きな違いは、料理が出る順番。茶道の懐石は、一番最初に少なめのごはんと汁物が出る。一方、お酒の席の会席は、ごはんと汁物は一番最後。お茶を楽しむのか、お酒を楽しむのかによって食事を出す順番を変えるというもてなしの精神が、ここにも表れている。


一汁三菜って?

一汁三菜

(Photo: PIXTA)

日本古来から伝わる、汁物1つ、おかず3つ、ごはん、漬物を基本とした献立のこと。懐石料理の基本でもあり、現代の家庭料理においても理想の献立といわれている。懐石において、おかずはなます(酢の物)、煮物、焼物の3種類。


会席料理のメニューと順番

富士レストランの料理長が紹介する、秋の会席料理

西山料理長

富士レストラン・西山料理長 (Photo: Oike Naoto)

「日本という国は、海、山、川などの自然に恵まれ、四季折々の豊富な食材があります。それらをどのように料理に生かすか…料理人は、発想力や表現力も求められています。今回紹介するのは、富士レストランで提供する「秋のおまかせ会席」。個人的に、秋の料理を作るのがいちばん好きです。きのこや果物などおいしい食材がたくさんあって、紅葉の色あいも素敵ですね。揚げ物には、日本の秋らしさの象徴である、稲穂をカラリと揚げたものを添えています。これも食べられますよ。反対に難しいのが冬です。とろろを雪に見立てたりして、冬景色でも寂しくならないよう工夫しています。ベトナムにも日本料理店は増えてきていますが、なかなか本格的な会席をいただける場所はまだ多くないと思います。富士レストランに来て、本物の和食の味を楽しみ、日本の四季を感じてみてください。」

富士レストランの「秋のおまかせ会席」のメニューをみてみましょう!

秋の会席料理

(Photo: Oike Naoto)

① 先付

食前酒といっしょにいただく小鉢。大根おろしににんじんおろしを加えた「もみじおろし」と赤いいくらで紅葉を表現しています。

② 前菜

前菜で料理人の腕がわかるともいわれる、重要な一品。旬の食材と技術を駆使して季節を表現し、食欲を誘います。いちょうや栗などをかたどった品々が秋らしさ満点。

③ 椀盛

前菜と同じく、椀盛も「日本料理の華」といわれる重要な料理です。魚や野菜、しんじょうなどの具材をすまし汁で仕立て、木の芽や柚子などの香りをあしらいます。

④ お造り

お刺身でさっぱりと口を休めていただきます。生魚が苦手な方もいるかもしれませんが、旬の魚の格別のおいしさを味わってみてください。

⑤ 温物

お刺身の生臭さを清めるための、吸い物や蒸し物など温かいもの。松茸の土瓶蒸しは、すだちを絞り、香りとうまみが凝縮されただしをいただきます。

⑥ 炊き合わせ

季節の野菜を炊き合わせたひと皿。冬は小鍋仕立てにすることも。今回は、「かぶ」を炊き上げました。ベトナムにはない食材をいただけるのも、魅力のひとつです。

⑦ 揚げ物

魚介や野菜を中心に、旬のものを天ぷらにしています。ピーマンで作ったもみじをちらして、秋らしく。天つゆかお塩をつけて、揚げたてのうちに召し上がれ。

⑧ 焼き物

メインディッシュのひとつ。魚が定番ですが、鴨や和牛などの肉である場合もあります。秋の味覚の代表・さんまを、風情漂う落ち葉の上にのせて。

⑨ 酢の物

食事の最後、口の中をさっぱりと調えてくれます。こちらは柿の中身をくりぬいて器がわりにした、見た目にも秋らしい一品ですよ。

⑩ ごはん・止椀・香の物

ごはんは白米を出すこともありますが、せっかくなので松茸の炊き込みごはんです。椀盛でお吸い物を出したので、最後の汁もの(止椀)は味噌仕立てに。香の物とは、お漬物のことです。

⑪ 甘味

最後に、旬の果物を使ったデザートを出します。これは、梨のコンポートと白玉だんご。夏はゼリーやくずきりを出すなど、最後まで季節感を大切にします。


SENDA MAYU/ kilala.vn

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