桜に見とれる春の旅

桜に見とれる春の旅

桜に見とれる春の旅

日本と聞いて、桜を思い浮かべる人は多い。その美しいピンク色の花は、遠い昔から日本人の暮らしとともにあった。小説や歌に登場し、絵画や織物で表現され、いつの時代も春を表現するこれ以上ない手段として存在していた。そして今では日本人だけでなく、世界中の人々を魅了している。春の訪れとともにほんの一週間に満たない間咲き誇り、惜しげもなく散ってゆく。その限られた瞬間の美しさが、わたしたちの心をつかむのだろう。桜のひとつひとつの花は小さい。花びらも指先ほどの大きさだ。しかし満開の頃には、ピンク色の巨大な雲のようにあたり一面をおおい尽くし、見る人を圧倒するのだ。

春の日本には桜がある。出会えたあなたはとても幸運だ。永遠に心に刻み込まれる、素敵な記憶になるのだから。

産屋ヶ崎からは富士山と湖と桜を一望できる

山梨県の産屋ヶ崎からは、世界遺産・富士山と湖と桜を一望できる (Photo: JNTO)

桜前線と桜の品種

北海道と沖縄では春が訪れる時期が1〜2カ月ほども異なる。桜が開花する時期も違い、基本的には南から咲き始め、最後に北海道にたどり着く。桜の開花時期を示したラインを「桜前線」と呼び、この時期の天気予報士では、桜前線の情報が紹介される。開花から満開になり、散るまではおよそ2週間ほど。リレーのように順番に、日本各地で桜が咲くので、じつは2月下旬〜5月下旬の間、日本のどこかしらで桜を見ることができるのだ。よく目にする桜は「ソメイヨシノ」という品種だが、桜は約600種類の品種がある。品種によって色、大きさ、咲く時期などが異なるので、見比べてみるのも楽しい。

桜の品種2014年の桜前線

2014年の桜前線。この年は平年並かやや早めの開花だった。

東京 

見ごろ:3月下旬〜4月下旬

ビルが多い東京にも、桜が咲く場所がちゃんとある。忙しく人が行き交う都市の真ん中で、人々の心を和ませてくれる。

浅草からも近く、毎年200万人を超える花見客が訪れるのが、上野恩賜公園。1200本あまりの桜の木が植えられており、400年以上も前から花見の名所として知られている。不忍池という池や上野東照宮という神社、動物園などの施設が、桜色に染まって華やかに。桜の時季は大勢の花見客が訪れ、昼も夜もにぎやかになる

上野恩賜公園

上野恩賜公園 (Photo: Shutterstock)

そして、2012年にTOKYO SKYTREEが完成すると同時に、新たな桜の風景が生まれた。東京の中でも有名な隅田川沿いにある隅田公園からは、桜とTOKYO SKYTREEが一望できる。高さ日本一のタワーの足元が、春のひととき桜に彩られる。夜には桜の季節限定で、TOKYO SKYTREEが桜色にライトアップ。幻想的な夜景に出会えるのも、春だけのお楽しみ。

Tokyo Sky Tree

TOKYO SKYTREE (Photo: TCVB)

人やモノが多く、せわしない印象の東京の街も、桜が咲くと、やわらかな空間になる。桜はそんなパワーを持っている。

千鳥ヶ淵公園

皇居のそばの千鳥ヶ淵公園では、ボートの上から桜を見上げることができる (Photo: Yasufumi Nishi/JNTO)

新宿御苑

東京の中心部に位置する新宿御苑にも、子どもから大人までたくさんの人が訪れる。園内の売店で売っている、限定の桜スイーツも要チェック (Photo: Yasufumi Nishi/JNTO)

京都

見ごろ:3月下旬〜4月中旬

日本の伝統的な建築物が多く残されている京都。桜が咲く時季はいっそう日本らしい趣きが増し、目の前には世界中で唯一無二の景色が広がる。

圧巻なのは東寺のしだれ桜。しだれ桜とは、枝がやわらかく、垂れ下がるように咲く品種の桜のこと。地面に向かって流れ落ちるように咲く花は、艶やかで色気すら感じられる。東寺にある日本一の高さの五重塔との組み合わせは、ため息がもれるほど美しい。

京都の観光名所として一番人気の清水寺も、屈指の桜の名所。4階建てビルの高さの位置にある、伝統芸能を行うための場所・清水の舞台からは、囲むように咲き誇る約1000本の桜を見下ろすことができる。桜を見下ろすのは、見上げるのとはまた違った眺め。まるで桃色の海のように眼下に広がる桜に、思わずうっとりしてしまう。

清水寺

清水寺 (Photo: TCVB)

そのほかにも、京都に点在する寺社、舞妓さんが行き交う祇園など、お花見スポットは数多い。伝統的な美しい風景の中でわたしたちは、はるか昔の日本にタイムスリップしたかのような感覚になるだろう。

祇園の白川通り

古い町家が並ぶ祇園の白川通り。桜並木の中、人力車に乗るのも乙。運がよければ、きれいな着物に身を包んだ舞妓さんに会えるかも? (Photo: Perati Komson)

しだれ桜

円山公園のほぼ中央にあるしだれ桜も、有名な桜のひとつ。この桜の親にあたる樹は、1947年に枯れてしまったが、樹齢220年の大木だった。その種子から大切に育てた、歴史が感じられる一本 (Photo: Yasufumi Nishi/JNTO)

静岡

見ごろ:2月下旬〜4月中旬

まだ寒さ残る2月下旬に、ひと足先に花を咲かせる桜がある。東京と大阪の間に位置する静岡県の伊豆半島・河津町で咲く河津桜だ。赤みがかった濃いピンク色の大きな花が、もうすぐ来る春の訪れを教えてくれる。

そして、静岡県といえば、世界遺産の富士山が見える場所。富士山と桜をいっしょに見るなら、標高307mの丘陵地・日本平や、広大な敷地に約5000本の桜が咲き乱れる大石寺などがおすすめ。桜と富士山をいっしょに見て、日本の素敵な部分を独り占めしたような、優雅な気分に浸ろう。

日本平からの眺め

日本平からの眺め

ひと足のばして…

Gotemba Premium Outlets®

桜を楽しんだあとは、「御殿場プレミアム・アウトレット」でショッピングはいかが?ここは、210店舗もの有名・人気ブランドショップが軒を連ねる、国内最大規模かつ富士山が見えるアウトレットモール。毎日25 – 65%OFFの値段で商品を買うことができるので、買い物好きにはたまらない!自分の洋服やアクセサリーを買うもよし、おみやげを買うもよし…見たいお店がありすぎて、時間が全然足りないかも?富士山観光の際はぜひ立ち寄ってみて。

http://www.premiumoutlets.co.jp/

青森/弘前

見ごろ:4月下旬〜5月上旬

北海道のすぐ南にある青森県・弘前市には、弘前城を中心に広がる弘前公園がある。ここは日本一の桜の名所との呼び声も高く、園内にある桜は52種2600本に及ぶ。95年以上も前から続く「弘前さくらまつり」に訪れる人の数、なんと毎年200万人。2011年、東日本大震災が襲ったときも開催を決行し、人々に勇気と元気を与えた。

弘前城
弘前城 (Photo: Hirosaki Tourism and Convention Bureau)
満開が終わってもまだ楽しみがある。お濠の水面に散った花びらが積もり、ピンク色の絨毯のようになる。「花筏」と呼ばれ、「死ぬまでに行きたい絶景」と言われるほど。今年は、ちょっぴり遅い東北の「春」に会いにいこう。
花筏

花筏は残念ながら、2014年の春を最後に約10年、工事のため見ることができなくなる (Photo: Hirosaki Tourism and Convention Bureau)

北海道/釧路町

見ごろ:5月中旬〜5月下旬

日本で一番遅い「釧路町桜まつり」が開催されるのが、北海道釧路町の別保公園。東京では夏が間近にせまるこの時期に、北海道にはようやく春が訪れる。花を咲かせるのは、EzoyamazakuraやKushiro yaezakuraなど、北海道に多く生息する品種約700本。色が濃かったり、花が大きかったり、桜のさまざまな表情を見せてくれる。北海道特産の新鮮な魚や貝、蟹などがふるまわれ、目にもお腹にもうれしい桜まつり。長く厳しい冬を越えて、ようやく訪れた暖かな春に、人々の顔は笑顔であふれている。

別保公園

春の花である黄色いたんぽぽが地面いっぱいに。ピンクと黄色は、日本では春の色 (Photo: Kushiro City)

日本人とお花見

日本人は桜を見ることを「花見」と呼び、遠い遠い昔から春の訪れを喜んできた。花見の元々のルーツは1000年以上も前に遡り、貴族たちが桜を見ながら俳句を詠んだことだといわれている。それが次第に形を変え、18世紀頃には桜を見ながらお酒を飲んだり歌ったり踊ったりと、庶民も楽しむようになった。その形は現代にも受け継がれている。

お花見

(Photo: Aduldej)

家で作った、もしくはデパートなどで買った弁当やおつまみを持って出かけ、桜の樹の下に腰を下ろす。花見会場によっては、食べ物の屋台が出るところもある。お酒を飲んで昼間から酔っ払ったり、カラオケをしたり、はたから見たら「桜を見てないじゃないか」と思うかもしれないが、それでいいのだ。人と集まって、おいしいものを食べて、にぎやかな時間を過ごすことも、お花見の醍醐味なのだから。そしてお花見は夜桜もまた良し。ライトアップされた桜を見ながらの宴会も盛り上がる。

ライトアップされた桜を見ながらの宴会も盛り上がる

(Photo: Sean Pavone)

そしてわたしたちは、お花見のマナーは守らなくてはいけない。桜の樹の根っこの上に座ってはいけない。どんなにきれいでも、枝を折ってはいけない。譲り合って場所取りをする。ゴミもきちんとゴミ箱に捨てるか、持ち帰る。みんなで楽しいお花見をするために、お互いに心がけることが大切なのだ。

お花見のおともに・・・

お花見の食べ物

花見弁当

日本のデパートやスーパーマーケットでは、この時季さまざまなお花見用のお弁当が売り出される。春が旬の食材がたっぷり入って、見た目も華やかな弁当があれば、お花見もいっそう盛り上がる!

桜餅

桜色の餅を桜の葉の塩漬けでくるんだ、春の和菓子。東京の方はクレープのような生地であんこをくるんだものをいい、大阪の方では餅であんこを包んだものをいう。(写真は大阪風)

花見だんご

日本人はだんごが好きだが、ピンク、白、緑のだんごをひとつの串に刺したものを花見だんごという。ピンクは春、白は過ぎ去った冬、緑はやがて来る夏を表している。あんこや醤油だれのだんごも人気。

ホーチミンのクッキングスタジオSTAR KITCHENでは、桜餅やだんご、桜のスイーツを作るクラスを開催中!詳しくはhttp://star-kitchen.jpをご覧ください。

SENDA MAYU/ kilala.vn

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